発行日 2002年11月6日版 

VOL.002
発行:ネクチャードットコム E&Eプランニング事務局 
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政策情報

 

コージェネ導入時に電熱需給バランスを計測 ― エネ庁、高効率システム普及へ判断基準に追加
 
  経済産業省・資源エネルギー庁は「エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律」 (省エネ改正法)が成立したのを受けて、コージェネレーション(熱電併給)システムを事業者が導入する際に、電気・熱の需給バランスが見合うよう計測する規定を同法判断基準に盛り込む方針を決めた。法改正により、これまで規制が掛けられていなかった業務用ビルも、来年四月の施行から省エネの中長期計画策定・報告が 義務付けられる。エネルギー使用量を適正に管理・計測させるため、IT(情報技術)を使ったBEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)も判断基準に盛る

 エネ庁は総合資源エネルギー調査会(経済相の諮問機関)省エネルギー基準部会に「工場判断基準小委員会」(委員長=高村淑彦・東京電機大教授)を設置。同小委で業務用ビルのオーナーなどが省エネ化を図る際の判断材料となる目安を固めていく。年内に結論を出し、省エネ改正法の省令とともにパブリックコメントにかける。
コージェネは熱と電気の使用規模がシステムの出力と見合わなければ導入メリットが減少。「排熱を十分利用しないコージェネが普及する」という懸念が指摘されているため、新規に取り入れる前にエネルギー使用量を計測するよう求め、省エネ改正法の規定で明示。同法判断基準で要求することにより効率の高いコージェネ導入を後押しする考え。

 エネルギー使用状況を総合的に把握できるBEMS導入も同法判断基準に盛り込み、エネ庁が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を通じて補助する「導入支援と判断基準で示すことによる規制的な措置」(省エネルギー・新エネルギー部)の両面で普及を促す。
 改正法ではテナントビルの対策も明確化。ビルに入居するテナント店舗ごとにエネルギー管理、設備モニタリングの徹底などを規定する。

 省エネ改正法は先の通常国会で成立。来年四月に施行される。現行の省エネ法が主に産業部門の規制強化を目的としているのに対し、改正法では述べ床面積二千平方bを超す業務用ビルも規制の対象になる。
業務・家庭など民生部門の省エネは産業部門と比べ遅れており、2000年度の二酸化炭素(CO2)排出量は1990年度比20%以上増加。対策の強化が求められていた。

 総合エネ調省エネ部会が昨年6月にまとめた報告書「今後の省エネルギー対策のあり方について」では、現行の対策で民生部門の省エネ効果を1,400kl(原油換算)と試算。BEMSなど新規対策によってさらに460kl(同)の削減効果を見込んでいる。

新技術

 

1) 代替フロン対策技術で、アースシップ社空気冷媒を商用化

今月の1日から「フロン回収破壊法」(特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法)が完全施行され、カーエアコン搭載の自動車を廃棄する場合は自動車フロン券(1台2,580円)を購入して引取り業者に引渡すことが義務付けられた。
エアコンなど業務用冷凍空調機器もすでに今年4月1日から同法の規制が適用されており、それらを廃棄する際はフロン類回収業者に処理費用を支払って依頼することになっている。
オゾン層を破壊する物質の特定フロン(CFC5種)等は2010年までに全廃、その代用として冷媒などに使用されている代替フロン(HCFC)も、2004年から消費量規制(35%削減)が先進国で開始される見通しだ(2020年には全廃)。
日本の家電メーカーが最近、炭化水素系の冷媒に変えた冷蔵庫の新商品を次々と販売しているのも先行きをにらんだ戦略でもある。

そうした中、ベンチャー企業の潟Aースシップ(岩崎正一社長。東京都文京区)が、空気だけを冷媒に使って商用開発した「空気サイクル冷凍冷却システム」(略称:AIRS)が関係者の注目を集めている。

  機器省力化とエネ効率向上で空気式を商用化  

食品等の冷凍・冷蔵用や運搬業の倉庫・搬出入拠点は、通常−30℃前後までの低温領域が必要とされ、現在はその冷媒に代替フロンやアンモニア系の物質を使った空調システムが採用されている。
しかし、代替フロン物質使用は上記の消費量規制とともに地球温暖化係数が高いことから、今後の国際的な温暖化対策の強化に連動する可能性があり、空調システムの設備更新や新規投資に際して、回避したいとの考え方がユーザーに強まっている。
また、アンモニア系冷媒を使った従来の空調冷凍システムは、漏洩の危険性や不可欠な関連機器の設置、安全管理面などのコストが大きく二の足を踏むユーザーも多いと言う。
商用開発されたAIRS方式は、基本的に空気の膨張と圧縮を繰り返すことで、−30℃から−50℃までの低温領域を可能な限りエネルギー効率を悪化させずに実現したもの。
システム効率を上げるための圧縮機と膨張機、熱回収熱交換器、除湿機などが一連のシステムに配されている。設備的には膨張機の採用や熱交換器に独自の工夫を凝らしたのが、商用化開発の決め手になったようだ。

2)「IT技術を活用した送水ポンプ省エネ制御システム」 横河電機(株)    https://www.nedo.go.jp/informations/other/140704/s15.pdf

商品の概要はポンプに圧力一定制御方式のインバータを導入している施設に「エコノパイロット」という小型端末を設置し、遠方から流量制御することで省エネを行うシステムです。
横河電機の甲府工場で導入し、52%の省エネを達成した。
Adobeのためコピーができませんので上記のホームページの予稿集で内容を確認ください。

以上
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