発行日 2003年6月1日版 

VOL.015
発行:ネクチャードットコム E&Eプランニング事務局 
E-Mail eeplan@necture.co.jp

はじめに 
 
省エネ、環境関連分野で平常収集している省エネ機器情報や業界情報を定期的に発信することで読者諸子と情報の共有化ができ、少しでも事業発展のお役に立てればと考えています。
限られた情報源ですのでご承知の情報も有るかとは存じますがその点はご了承ください。
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平成14年秋 E&E編者

    ■業界情報

 

省エネ事業者向け補助制度、民生部門への配分引き上げへ

経済産業省・資源エネルギー庁は、省エネルギー対策を行う事業者に対して交付する補助制度について、産業部門と民生部門(業務・家庭)の配分比率を見直す方針を固めた。事業者がコージェネレーション(熱電併給)システムなどエネルギー効率の高い設備を導入する際、エネ庁は石油特別会計で導入額の一部を補助していたが、産業部門への配分が8割近くなのに対し、民生部門は2割程度。しかし、二酸化炭素(CO2)排出量は産業部門が横ばいを保っている一方、民生部門の排出量は顕著な伸びを示しているため、民生部門への配分比率を引き上げる必要があると判断した。

(コメント:現状、業務用ビルの省エネの方が課題としては大きい)

 

日本工営、100キロワットのマイクロGT発売へ ― 総合効率78%


日本工営は29日、出力100キロワットのマイクロガスタービン(MGT)コージェネレーションシステムを発売すると発表した。自動車メーカーであるボルボのグループ会社ターベリック社(スウェーデン)が開発したシステムで、発電効率30%、熱供給と合わせた総合効率78%を実現している。販売から据え付け、遠隔監視システムなどのメンテナンスまで、一貫したサービスを提供する。病院やホテル、スーパーマーケットなどをターゲットに、初年度10―15台の販売を見込む。

(コメント:高効率のMGTの開発競争はますます盛んになるだろう。)

 

松下電器が高効率・高耐久性実現した家庭用燃料電池コージェネを開発


松下電器産業は、発電効率35%を実現し、耐久性能を格段に向上させた1キロワット級家庭用燃料電池コージェネレーションシステムを開発した。6月2日から5日まで東京・有明の東京ビッグサイトで開催される「世界ガス会議展示会」の日本ガス協会ブース(ジャパンアトリウム)で、わが国の家庭用燃料電池コージェネシステムの代表として展示される。


(コメント:家庭用の燃料電池の実用化まではまだしばらく時間がかかるだろう。)

 

関西電力が屋上緑化用マットの生産・販売で社内ベンチャー


関西電力は、コケや多肉植物のセダムを育成した薄層の屋上緑化マットを生産、販売する社内ベンチャーを設立した、屋上緑化のニーズが増大している企業や自治体向けに販売を進める。
  従来の緑化マットは〈1〉重量が重く建物への負担が大きい〈2〉現地施工が複雑〈3〉中低木を使用するため細かな管理が必要――などの難点があった。今回発売する屋上緑化マットは土の使用量を減らし薄型・軽量化を実現、建物への負担を抑え大規模な施工を可能にしている。特殊なマット構造を採用することで土壌飛散を防止、急こう配の斜面でも施工できる。


(コメント:省エネの有力候補として屋上緑化、外断熱が今後普及するだろう。)

 

新潟原動機が超低公害型マイクロガスタービン発電機を開発


新潟原動機は、出力300キロワットの超低公害型の再生サイクルマイクロガスタービン発電機「RGT3R」を開発したと発表した。同社が防災用に開発したガスタービン技術をもとに、排気ガスの熱エネルギーを回収する再生熱交換器と超低公害型燃焼器を搭載。発電効率(発電機端)32・5%と300キロワットクラスでは世界最高レベル、窒素酸化物(NOx)の排出量も20ppmと液体燃料では世界で最もクリーンな排気を実現した。


(コメント:熱エネルギーを徹底的に電気に変換し熱エネルギーの利用を意識しなくて良い方向が望まれる。)

 

日本ユニシスが電気供給事業向け情報ソリューションを提供開始


日本ユニシスは、自由化が進むエネルギー業界向けの情報システムソリューションを再構築、第1弾として電気供給事業に特化したソリューションを提供する。エネルギー業界をはじめさまざまな業界でのシステム構築の実績を背景に、自由化時代の電気事業の業務の流れを見直し、必要となる情報システムを、経営管理から、発送変電、販売まで事業全般を網羅する形でまとめたもの。自由化拡大で情報の戦略的活用が叫ばれる中、日本ユニシスのほか日立製作所や独SAP社もエネルギー業界向けソリューションを体系化しており、今後、ベンダー各社の提案活動が強化されそうだ。

(コメント:省エネではないもう一方の新規事業になるだろう。)

 

北海電工、北電グループ各社と連携・協力ESCO事業へ参入

北海電気工事は、ESCO(エネルギー・サービス・カンパニー)事業に参入する方針を固めた。北海道電力のグループ企業各社と連携・協力して、今後ニーズが見込まれる官庁物件を中心に受注獲得を狙う。北海電工では総合設備エンジニアリング企業として培った高い技術力と、北海道全域をカバーするきめ細かな営業ネットワークを新たな事業展開に積極的に生かしていきたい考え。

 

関電、中部電力がビル・工場向け小型冷凍機を開発。低出力運転時も高効率を実現

今回、高効率スクリュー圧縮機の出力制御を従来のスライド弁制御からインバーターによる回転数制御に変更。これにより、出力80%以下の部分負荷時でも100%時の効率を上回るという特性を実現した。
最高出力時のエネルギー効率(COP)は業界最高の5・6と従来機の1・3倍を実現。30%出力時はこれを上回るCOP6・9となり、従来機の2・5倍に向上する。
効率向上などにより、機器単体の年間の電気代は従来機よりも約30%削減。年間のランニングコストは、電気式の従来システム、ガス式の吸収式冷温水機システムと比較し、ともに約20%削減できるという。
年間の二酸化炭素(CO2)排出量は従来機よりも約30%削減できるなど地球環境にも優しい。

(コメント:低エネルギー消費型機器の開発がさらに進むだろう。機器自身の高効率化の加速も必要)   

 

中国電力がロータリーエンジン採用のコージェネ、実証実験開始

システムは「RX―7」に搭載するエンジンを産業用に改良したものを採用。3600回転で45キロワットの電力を発生し、発電効率は24%程度。エンジン本体、排気ガスから合計90キロワット分の排熱を回収できる。総合効率は74%程度を見込む。燃料にはLPG(液化石油ガス)を使用する。
通常の電力供給を受けながらガスによる給湯システムを持つ顧客を想定した場合、今回のシステムを導入すると、エネルギー消費は1割程度低減できると試算。コストも同じく1割程度削減できるとしている。
ロータリーエンジンを搭載するコージェネユニットは、従来のディーゼルエンジンに比べ、体積比で3割低減。往復運動がないため低騒音・低振動も期待できる。


(コメント:低騒音、低振動はコージェネとして重要な開発課題。)

 

北陸電気保安協会が低コスト「電力デマンド」、「設備保安状態」監視サービスを提供

積算電力計からのパルス信号を監視装置に取り込み、あらかじめ設定した電力値をオーバーしないか予測演算を行い、超過の恐れがあるときは、現地で警報するとともに、電子メールで携帯電話などに知らせる。ネットワークを通じて保安協から監視装置へアクセスが可能で、監視状態の確認や設定変更も遠隔で実施できる。
保安監視では設備の異常(温度、過負荷、停電情報等)を提供する。


(コメント:顧客に代わる遠隔監視サービスは今後も増大するだろう。)

 

 

伊藤忠ケミカルフロンティアは遮熱効果の数値化による遮熱塗料の拡販

建物の大きさや使用材質、立地地域、塗料の色などを指定すると簡単に遮熱効果が数値化できる測定方式を開発したベンチャー企業と組んでインターネットを使い電力消費量の削減などの効果を具体的に訴える。
地域や各種条件により変わるが、屋根の温度が54度のところ、遮熱塗料を使うと45度へと9度下がる。


(コメント:省エネのポイントはすべて数値化することで、遮熱を簡単に数値化できれば普及に役立つ。)

 

 

住友電工がレドックスフロー(RF)電池事業を積極展開

関西電力と開発して普及促進に向けてコストダウンを進めており、既に設置コストは600kW以上ではキロワット当たり10万円程度を達成した。用途は2秒以内の瞬低対策用やピークカット用の出力100kW、1時間用などがる。
今後は瞬時電圧低下による損失の大きい事業者や短時間ピーク解消の意味のある顧客中心に営業展開予定。


(コメント:NAS電池、鉛蓄電池などいろいろ方策はあるが今後、電気の品質低下に伴いニーズが出てくるかも?)

 

講演会・セミナー案内 


1.「ESCO事業導入事例発表&ビジネス交流会」 
   
   開催日:7月3日(木) 10:00〜17:30
   場所 :ホテルグランドパレス
   入場無料

   主催  :日刊工業新聞社
    
   https://www.nikkan.co.jp/j-forum/esco/index.html

2.建築物の省エネルギー仕様基準セミナー
   
   開催日:6/25(水)大阪会場、6/27(金)東京会場、7/1(火) 名古屋会場
   
   プログラム:@改正省エネ法の概要
           A建物外皮性能に関する仕様基準の算出法
           B空調設備に関する仕様基準の算出法
           C換気、照明、給湯、エレベータに関する仕様基準の算出法
   
   受講料:12000円/人
   

   主催 :(財)建築環境・省エネルギー機構 建築研究部
       
    https://www.iijnet.ne.jp/ibec/

以上
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