発行日 2003年9月6日版 

VOL..019
発行:ネクチャードットコム E&Eプランニング事務局 
E-Mail eeplan@necture.co.jp

はじめに 
 
省エネ、環境関連分野で平常収集している省エネ機器情報や業界情報を定期的に発信することで読者諸子と情報の共有化ができ、少しでも事業発展のお役に立てればと考えています。
限られた情報源ですのでご承知の情報も有るかとは存じますがその点はご了承ください。
記事内容やご要望、ご質問、詳細調査・コンサルティング依頼などがございましたらメールにてご遠慮なくお問い合わせ下さい。

平成14年秋 E&E編者

    ■業界情報

 

 中部電力が中小ビル向け低コストのエネルギー遠隔計測システムを共同開発


大規模ビルではBEMSの導入が進んでいるが計測コスト面から中小ビルでは導入が進んでいない。今回3千〜1万uの規模のビルを想定。使用電力量、空調関連データを「ワイヤレス計測器」で計測し、「データ集積装置」に収集される。収集したデータはPHSなどで集計、分析、グラフ表示を行う。ワイヤレスにすることで計測コストは約4割低減できた。6000uのビルを6ヶ月計測するのに85万円かかっていたのを約50万円程度で可能になった。中部電力は順次導入し、5%の省エネをめざす。

(コメント:収集データを基に分析と対策をIakに行うかがポイント。)

 

関西変成器が安価でデータ収集できるデマンド装置を関電と共同開発


外付けのパルス変換機を内蔵したことで在来品のほぼ半分の19.8万円を実現した。装置内部で95日分のデータが蓄積でき、パソコンに取り込みクラフなどに加工ができる。保安の自由化を背景に省エネコンサルティングを始めた関西電気保安協会が採用したのを機に全国展開を行う予定。


(コメント:電力計測の単価の引き下げが利用を促し、数量が販売できる。)

 

利昌工業がアモルファスモールド変圧器市場に参入


開発した変圧器は無負荷損を現行標準機種の1/4に削減した。政府の定めた省エネの目標値もクリアしている。
負荷損についてもコイルの巻線サイズを最適化し、現行標準機種より3割程度削減している。モールド変圧器は2007年からトップランナー制度が適用されるがその基準値を大幅に下回っている。


(コメント:機器それぞれの省エネを図ることと機器の運転制御と並行して省エネは進む。)

 

東芝キャリアがガス吸収式を超える効率の空冷チラーを東京電力と共同開発


モジュール連結公式を採用し、ガス吸収式冷凍機と同等以上の高い経済性や省スペースを実現した。最大12台を連結可能。期間COP4.8を達成した。設置面積は3〜4割削減できる。負荷に応じて各モジュールの圧縮機で容量制御と最適化運転を行う。基本モジュールは25冷凍トン。最大300冷凍トンまで対応可能。従来の空冷チラーに比べ23%省エネ。ガス吸収式と比べ、ランニングコストを3%低減できる。

(コメント:省エネと併せて省スペースが図れることは有利。)

 

 

省エネセンターが自治体のESCO導入支援ガイドライン策定開始


昨年度は7自治体が10件のESCO事業を実施するなど自治体でESCO事業導入の機運が高まっているが、公募時期や契約内容で課題もあり、導入時参考になるガイドラインを策定しESCO導入を支援する予定。9月中旬に専門委員会を立ち上げ1月にまとめる予定。委員は東京都、大阪府、埼玉県、三鷹市、セントラルリース、日立製作所のESCO事業者、学識経験者、弁護士らで構成。単年度予算制度による課題、省エネ効果達成時のボーナスシェアードセイビングス契約時の敷地利用料支払いなどを検討。


(コメント:自治体がESCOを導入するためのインフラがまだまだ整っていないのが現状。今後の活動に期待)

 

NAS電池の普及に導入助成制度が新設される見通し


日本ガイシが量産工場を本格的に稼動開始し、実証試験では1kWあたり100万円だった設置コストが20万円まで下がった。最終的には、14〜16万円程度を見込んでいる。一方経済産業省は来年度予算の概算要求に「負荷平準化機器導入モデル事業」を盛り込み10億円を要求した。蓄熱空調システムやNAS電池など高効率の負荷平準化機器でPR効果も期待できる案件を公募する。
補助金は設置費の1/3で平均5000万円程度を予定。NAS電池についてはピークシフト効果の見込める中規模以上のビルを想定。普及のネックはNa、硫黄を使うため設置許可に手続きが必要。関係省庁で今年度見直しの検討開始


(コメント:電力の平準化は重要な課題。普及のため官民あげて課題を解決するべき。)

 

新興プランテックが高効率バイオマス発電を開発


木屑を蒸し焼きにし、発生する可燃性ガスを燃やして発電する。木屑を直接燃やす場合に比べてより効率よくエネルギーを再利用できる。摂氏500〜600度で蒸し焼きにする。直接木屑を燃やし発生した蒸気でタービンを回して発電するのと比べ、2倍以上の発電効率を実現した。処理能力は200kg/時間、1日5トンの発電システムで出力は212kW、その内40kWは装置で使用するので実質170kWが取り出せる。価格は2億円。処理能力は1〜10トンまで幅広く対応可能。


(コメント:低温排熱を有効利用できること有望な技術)

 

総務省は高速電力線搬送通信(PLC)の実証試験を年内に認める方針


現行法では450Hz以下の周波数帯域が認められているが、高速通信が可能な2〜30MHz帯の要望に答えるために省令改正案と設備設置許可方針案を公表した。PLC設置事業者は「漏洩電波を低減する技術の概要と周辺の通信設備に悪影響を及ぼさない技術的根拠を提出すること」としている。PLCで最大200Mbpsの通信速度が可能といわれている。
政府の「eーJAPAN戦略U」にも必要性が盛り込まれている。


(コメント:建物内や家庭内の高速LANが安価に、しかも容易に構築できる。)


 

松下電工が白熱電球並みの白色LED照明を開発

明るさ300ルーメンの白色LED照明(40Wの白熱電球並み)を開発した。これまでは30ルーメンが限界だったが放熱性を高め、多くの電流を流せるようにした。寿命は4万時間で白熱電球の20倍以上、価格も20倍前後になる見通し。
当面はランプ交換の難しい高所や屋外建築物の照明などが対象。


(コメント:省エネになるのかどうか?消費電力と電圧変換器の費用がポイント)

展示会、講演会 


 1.「建築・省エネルギー講習会」

   
   ・開催日 10月から順次全国8会場詳細はホームページで確認ください。

   ・場所   東京、仙台、広島、札幌、名古屋、大阪

   ・主催   (財)建築環境・省エネルギー機構

   ・参加方法  25、000円

   ・開催趣旨  建築士法に基づく国土交通大臣指定特別講習会として行う。
   
   ・内容     改正省エネ法で義務つけられた省エネ計画書作成のための
省エネ基準、仕様を中心に環境・省エネ対策動向、建築と地球環境、改正省エネ基準を解説
  
   ・問合先   (財)建築環境・省エネ機構  電話03−3222−6723
             https://www.iijnet.or.jp/ibec/

 

H16年度省エネ関連概算要求


  経済産業省の概算の内容が発表されました。その中のエネルギー関係を抜粋
 
    <資源エネルギー関係概算要求>                         今年       前年

    T.安定な電力供給に向けた取り組み                      34億円     (1億円)
      ・電力の広域融通の体制整備
      ・分散型エネルギーの導入促進
      ・ピーク需要抑制のための対策
    
    U.エネルギー・環境対策の充実強化
     @分散型エネルギー社会の構築にも資する新エネルギーの活用    1631億円    (1568億円)
        燃料電池、バイオマス技術開発
     A省エネルギー対策                              1467億円   (1346億円)
        ESCO事業を活用した省エネルギー対策の促進           305億円の内数
          経済産業省庁舎におけるESCO事業のモデル導入         1億円
          エネルギー使用合理化事業者支援                 140億円の内数
          地域省エネルギー普及促進対策                      28億円の内数
          住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進            137億円の内数
        複数主体の連携による省エネルギー対策の促進              10億円の内数
     B天然ガスシフトの加速化                            368億円    (374億円)
     Cエネルギーの環境負荷低減利用等                     246億円    (205億円)

以上
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