築35年のマンション|街の不動産屋体験記
中古マンションは新築マンションに比べて、かなり割安ですよね。
立地も良い、価格も十分に手が届く、間取りもなんとかなる、
汚れが目立つところはリフォームやリノベーションで自分たちのライフスタイルにできる。
いいよね~
でも建設後35年を経過している。
どうしよう?
結論は、今の賃貸住まいより、毎月の支払いが安いなら、「自分のうち」を持てるのでGOでしょうね。
ただし老朽化によるいろんなリスクはあります、がこれは割り切りましょう。
だって新築でも三井住友建設の下請けぐるみの「くい打ちデータ改ざん事件」(2016年1月13日)
で営業停止などの行政処分発令がなされたし。
このような傾いたマンションだってあるんだから。
世の中、何があるかわかりません。
もちろんお客様が自分の目と足で調査(外観、修繕資料、水周り、デンキ周り、リフォーム部分、ご近所の評判など)は必須だと思うんですけどね。
リスクについて考えてみました。
1)銀行ローンのリスク
・建物の担保価値が低すぎて、銀行もローンの設定が難しい
・自己資金中心にした予算計画が必要
2)責任者不在のリスク
・マンションの当初の建設会社や販売会社では、責任を持てない
・少なくとも管理組合や管理会社がないと対応しようがない
3)建替えや修繕のリスク
・地震や災害があったとき築年数が古いのは損傷を受けやすい
・突然区分所有分に応じた負担が発生する(共有部分でも)
・建て替えが必要な時に、法定分の賛成人数が得られずに長びく
給排水などの「インフラ部分などフルリフォームで400万くらいは必要でしょうから、
この分を含んだ自己資金や親からの生前贈与が得られればいいですよね。
【 街の不動産屋体験記 例】
都内のかなり古いですが、30年は経っていた中古マンションを1000万円程度で購入された例
30歳前後のご夫婦のお客様でした。
中堅の建設デザイン会社に勤務されて、新婚の奥様も共働き。
ローン(全額)が当初なかなか通りませんでしたが、元付け仲介業者(売り手側)が大手であって、
多数の銀行とローン設定を実施、その業者の実績で数社の銀行からローンOKとなりました。
無事購入され、営団地下鉄駅徒歩2分くらいの便利な立地で、共働きにも便利、愛犬もOKで
2DKをすぐに1LDKに改造されました。
当初床を改修しようとして、隣室からわずかでしたが、水漏れがあり、補修責任の問題が出ました。
これはここの管理組合があって、共有部分なので住宅総合保険で対応でき一件落着でした。
このお客様はそのご独立されて会社を上手く経営されているとのことでした。
ある意味で古い骨董品を自分たちの価値観で評価して手に入れたんですから、
このかたのように自分の力でも課題を克服していく気力・体力はあってもいいですよね。
あくまで自分(家族)のライフスタイルに合致しているならいいでしょうね、
間違っても資産価値上昇狙いは考えないことでしょうね。
(つづく)