マレーシア（ペナン島）

　ペナン島の朝はゆっくりと訪れる。
　鳥のさえずりが夢の中で少しずつ聞こえてくる。
　窓の外全体がまるで鳥達の楽園でもあるかのようにそれがだんだん大きくなってくる。
　シャングリラ・ラサ・サヤン・リゾートの私達の部屋の正面にあるヤシの木の葉と一体になっていた空気が去っていくと、うっすらとした空が後方に現れる。
　その空に薄紅色の雲が見えてきたかと思うと輝きを増しながら、スーと空の青さの中に消えてゆく。
　そこにはインド洋の青い空と白い雲が残る。
　鳥達のざわめきも落ちつきを取り戻し、まわりの空気に馴染んでくる。
　4月6日(土)の夜にこのホテルに到着してからは毎朝この訪れを聞きながら目覚め、身支度をしてから９時にブッフェで朝食を摂る。
　その後、プールサイドで一日を過ごす。
　夕方５時頃からは、ホテルのコーチ、スタッフ、ゲストが混じってのテニストーナメントで汗を流す。
　夕食は町に出て、ローカルのレストランで遅い食事を取り１１頃に就寝する。

　昨日、プールサイドで日本人スタッフの橋詰さんが声をかけてくれた。
　「滞在中で何か気付いたことや、ご不満はありませんでしょうか？」とのこと。
　昨日のテニスコートで、山側に大きな木がありその影になる部分が黒ずんでいて苔のようなものが生えているので、コートが滑りやすく危険だったとお伝えした。
　彼女やテニスコーチのメルさんはホテルのアクティビティを担当しながらゲストのところを廻ってはいろいろ改善点を聞いている。
　実は彼女もそのコートで足を滑らせて軽い捻挫をしたところだとのことである。
　このペナン島では、ちょうど乾期の終わりの時期にさしかかっていて少しずつ雨が降るようになってきたので、注意が必要な頃なのだそうだ。
　橋詰さん達スタッフが実施しているアクティビティは、昨日の4月8日（月）だけでも早朝7:30のジャングルウォークから夕方5:00のテニストーナメントまで11個ものアクティビティがあった。
　このような企画を含めた滞在者へのホスピタリーが、このホテルのリピーターが多い要因となっているようだ。

　今日の午後2:00からのマレーシア料理クッキングクラスでは、フィッシュカレーの実演と試食があった。
　このクッキングクラスで知り合ったキングストーンさん夫婦は昔ご主人のお仕事で日本にも住んでいたことのあるイギリス人で、毎年4月のこの時期に約2週間きまってこのホテルに滞在しているとのこと。
　お孫さんまでを含む一家が毎日プールサイドで過ごしていらっしゃったのが印象的であった。
　同じ島国のイギリスと日本。彼等に学ぶべきことは多い。

　イギリスの大スター、エルトン・ジョンの「Your Song」は私の大好きな歌である。
　How wonderful life you are in the world.
　我々夫婦は、明日25年目の銀婚式を迎えることになる。

-P.37-