帝国ホテル"欄の間"で行われたY・Kさんの結婚式に出席した。
彼女のご家族には、私が日本DECに就職するために富山から川越に引越してきた1989年9月以来、大変お世話になっている。
彼女のお父様は、当時、私を採用してくれた日本DECのK部長の友人であり、C大学電気工学科の教授で、現在は、教授職とともに日本ロボット学会の会長職をも務めていらっしゃる。
1989年当時、まだ高校生だったYちゃんを、テクニカル・アシスタントとして預かることなど私には想像できなかったことである。
帝国ホテル4Fにあるチャペルで、賛美歌を歌い、神父さんの話を聞いていると、学生時代に洗礼を受けたことを思い出してしまった。
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コリント前書十三章から=
愛は寛容にして慈悲あり、愛はねたまず、愛は誇らず、
高ぶらず、非礼を行わず、おのれの利を求めず、憤らず、
人の悪を思わず、不義を喜ばずして、まことの喜ぶところを喜び
おおよそ事忍び、おおよそ事信じ、おおよそ事望み、おおよそ事耐うるなり、
愛はいつまでも絶ゆることなし。
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この結婚式の披露宴での祝辞を二つ紹介したい。
最初は、彼女の母校である大妻大学で社会心理学を教えていらっしゃった中野先生の祝辞である。
中野先生のお話しは、Yちゃんの卒業論文の内容が「美人研究と性戦略」であったことから、その卒論にある戦略どおり戦術を駆使して新郎をゲットしたことに疑いはない、ということに始まり、IQとEQに対する先生のお考えを紹介された。
EQについては、数年前にダニエル・ゴールドマンの書籍がベストセラーになったが、私も自分の子供に頭のいい「お利口さん」よりはお母さんみたいな「賢明で思いやり」のある人になりなさい、と子供に言い聞かせてきたこともあり、同感である。
ITについても、EQの考え方を取り入れた「ITQ:Information
Technology
Quotient」教育が必要ではないだろうか。
先生のお話の三つ目は、アバウトさについてであり、なるほど、とYちゃんを見なおしてしまった。
何事も100%完璧を目指すと、余裕がなくなり「擦りきれてしまう」。
まー、こんなもんか、で生きたいものだ。
以下に、中野先生のうんちくを紹介したい。
男の方は、浮気に対して、自分の相手を責め、相手を他の男から遠ざけようとする。
一方、女性の方は、相手が浮気した場合、当然相手を責めはするが、最終的には、その浮気をした相手である同性を攻撃するのである。
これは、製造工場は自分で所有しているのだから、その点は問題が無い。
男から(雄から)与えられているものは、配偶子の半分であり、それは、浮気の相手にも行っているが、同じものである。
それより大きな損失は、本来、男から与えられるべきであろう経済的援助の一部が向こうに行ってしまうという危機感から、怒るのである。
そして、その女にとって、最も多くの危険は、パートナーである男をとことん責めた場合、男が自分から去る可能性があり、相手のところに行ってしまった場合には、経済的援助が途絶える可能性が高くなる。
そのため、(形式的には)パートナーを許し、経済的な部分の一部を持って行く相手に対して怒りををぶつけるのである。
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ということは、多くの女性が経済的に自立してきて、子供も生まない昨今では、パートナーとしての男性に対して真っ向から攻撃の矢が放たれるということで、男性諸氏は"こころして"結婚生活を過ごさなければいけない、ということか。
二人目の祝辞は、私のアシスタントとしては一番歴史の長いF・Oさんからの祝辞である。
F・Oさんは、Yちゃんの仕事をずーと教えてきたことと、人生の先輩として、母親になるYちゃんに「アメリカインデアンの教え」を祝辞として送った。
アメリカインディアンの教え
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批判ばかり受けて育った子は非難ばかりします
敵意にみちた中で育った子はだれとでも戦います
ひやかしを受けて育った子ははにかみ屋になります
ねたみを受けて育った子はいつも悪いことをしているような気持になります
心が寛大な人の中で育った子はがまん強くなります
はげましを受けて育った子は自信を持ちます
ほめられる中で育った子はいつも感謝することを知ります
公明正大な中で育った子は正義心を持ちます
思いやりのある中で育った子は信仰心を持ちます
人にみとめてもらえる中で育った子は自分を大切にします
仲間の愛の中で育った子は世界に愛をみつけます
"アメリカインデイアンの教え# より
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このアメリカインデアンの教えをF・Oさんが話すうちに、Yちゃんが泣き出してしまった。
そのうちに、F・Oさんも感極まり、二人で泣き出してしまった。
最強のコンビ、ここにあり。
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