私が初めてナレッジマネージメント(KM: Knowledge Management)という言葉を聞いたのは1996年に遡る。
ある新聞社の仕事の依頼で、青山のジャストシステムの東京本社にお伺いして「ConceptBase」という製品のβ版を見せてもらったときである。
ジャストシステムと言えばワープロの「一太郎」やグラフィックソフトの「花子」という製品をご存知の方は多いだろう。
今日はそのジャストシステム社との共同セミナーをジャストシステムの東京本社会議室で開催することになった。
ジャストシステムの東京本社は、私の勤務先の最寄駅永田町からは一駅、地下鉄の青山一丁目駅から地下道にて徒歩1分、青山ビルヂングの地下エレベータから7階の会議室に直行できる。
私の方の講演タイトルは「ビジネスを進化させるためのITセミナー」、副題は「アイデアの創出と知恵の伝承」である。
このセミナーにあたり、ジャストシステムのKMメルマガコミュニティ(CB通信)と当方で、以下のようなメールを配信した(一部省略してあります)。
◎◎◎ 「ビジネス」を進化させるためのITセミナーのご案内 ◎◎◎
◎◎◎ 〜 アイデアの創出と知恵の伝承 〜 ◎◎◎
【5月18日(火) 15:00〜17:30 参加費無料】
会場:ジャストシステム 東京支社7Fカンファレンスルーム
日常業務で扱うデータおよび情報を共有してきたこれまでのITの仕組みを
進化させて、「知識」や「知恵」を共有するための仕組みを考察してみます。
また、これまでは個々人のスキルやタレントに依存してきた「アイデア」の
創出や、「知恵」を伝承するための業務プロセスに焦点をあて、
その業務改革にいかに取り組むべきかを考えていきます。
■プログラム
15:00-16:00
【アイデアの創出と知恵の伝承】
16:10-17:10
【ナレッジ検索エンジンConceptBaseの説明とデモ】
17:10-17:30
【質疑応答】
このメールに応答してお集まり頂いた約50名の方々との2時間半の勉強会である。
私のセミナーのイメージは右の写真にある「Google」である。
インターネットの検索サイトの最大手であるこのグーグルは、セルゲイ・プリン(30歳)とラリー・ペイジ(31歳)の二人の天才によって1998年に設立され、いまや90ヶ国語をサポートし、インターネット検索サービス市場の売上(年間約40億ドル)の約25%を稼いでいる。
近々株式が公開される予定だが、どのくらいの値段がつくか見ものである。
今回のセミナーでは、データと情報の違い、そして、情報と知識の違いを整理することからはじめ、職場や社外の協力者同士がこのような検索エンジンを使用することにより、どのように情報が共有でき、その情報をどうしたら知識に、しいては知恵にかえれるかを模索してみた。
一言でいえば、様々なビジネスシーン(難しい言葉でいうと、業務プロセス)における「人と人とのコミュニケーション」を、検索エンジンを使うとことにより、どうやってサポートしていけるかがテーマである。
データと情報の違いについては、2001年7月に掲載した「忍のITコラム、第5回:ビジネスを進化させるためのIT(1/3)」(https://www.necture.jp/it/it5.html)を参考にして頂きたい。
ジャストシステム社のプレゼンでは、ナレッジアウェアネスという言葉を使って、「ConceptBase」を分かりやすく説明した後、2002年時点で1,800社、90万人の導入に支えられた様々な知識活用の事例紹介(導入モデル)を聞くことができた。
また、ConceptBaseによるナレッジアウェアネス(知識の気づき)からは、以下のような機能の提供が期待できる。
1)情報に分類や視点を与えることにより、知識を「見える化」し、
業務知識やノウハウの発見(気づき)を支援する。
2)個人の経験やスキルに依存せず、誰もがナレッジを活用できる
仕組み(システム)を実現する。
3)ナレッジマネージメントの経営課題となっている「いかに使わせ、
理解させるか」という知識活用の基本的な問題解決を提供する。
知識検索エンジンのこのような機能を業務プロセスに組み込むことにより、現在職場に進みつつあるベテランのリタイアや、リストラによる経験やノウハウの流出、あるいは空洞化の課題に対する一つのソリューション(知識や知恵の伝承)を期待できることになる。
最後に、このセミナーにご協力を頂いたジャストシステムの能本(のもと)様および以下の皆様に、このページをお借りして、感謝の意を述べたい(社名によるアイウエオ順)。
・IFSジャパン社 ステファン様、面屋様
・旭エンジニアリング社 緒方様、山崎様
・サンライズ・エージェンシー社 牧野様
・ベストプラクティス社 内藤様
(つづく)
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