■ 2006年5月26日(金)

 永楽倶楽部の福島勇三さんと夢語人座(むごんざ)


 第23回夢語人座(むごんざ)をいつもの永楽倶楽部で19時から開催した。
 2000年11月24日(金)に第1回夢語人座を開催してから、毎年2月、5月8月、11月と3 ヶ月毎のペースでいろいろな方々に福島勇三さんのコクテルを堪能して頂いたことになる。
 この夢語人座は、元はといえばソフトバンク社LANTIMES誌の編集長をしていらっしゃった神岡正夫氏に永楽倶楽部に連れてきて頂き、福島さんを紹介されたことがきっかけとなっている。
 今宵は、そのルーツである神岡さんも出席されて、カウンターの奥に数名で陣取り、福島さんの神の手をビデオ撮影することになった。(福島さんの動画はこちらから:只今工事中です)
 終戦後すぐにジョンソン基地(現在の入間基地)の将校クラブでバーテンダーという職に就いた福島さんは、かれこれ60年、シェーカーを振ってきたことになる。
 米軍将校から貰った"スマイリー"というニックネームを持つ福島さんの笑顔が消えるとき、それはコクテルを仕込むときだ。
 "ドライマティニー"を注ぎ終わって、平さんの目の前に出しながらにっこりと微笑んで、「コクテルの温度は氷の溶けるときの音でほぼ分かります。そして、一番おいしい温度でその人に気持ちを込めて注ぎます。手を抜くと顧客にすぐに伝わりますね」。
 一杯一杯を全身全霊で創るコクテル。
 親しくなっても慣れるな。
 神岡さんは、スターターのテキーラサンライズを飲み干したころに「何回か行くと向こうから話しかけてくるバーテンダーがいると、行く気がしなくなるもの、今日は一人で飲みたいというお客さんの気持ちが、分からない人が多い世の中で、この人だけは特別な人(職人)だよ」と。
 カウンターに陣取った吉川さんは甘いコクテル「ジンスプモーニ」を飲んで、もう一杯おかわりをしたところ「一杯目とちょっと違うような、それでいてどこが違うのかわからないですね」と、「全く同じものと言われて、同じモノは出しません。それでいて味が違うと言われるようじゃいけない」と、ナンバーワンではなくオンリーワンバーテンダーを目指してきた福島さんの切り返しに、にんやり。
 今日はお客様の差し入れの"NUESTRO TEQUILA"(写真の手前)があったので、神岡さんの締めはテキーラサンセット、私は例のブルーマルガニータで神岡さんと乾杯をした。

 (つづく)

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