■ 2008年3月22日(土)

 KIT読書会「地頭力を鍛える」とDESK@(デスカット)


 インターネットによる情報検索により世界中にある“あらゆる情報”を一瞬にして入手できる時代になった。また、毎日オフィスに入り席に着くと同時に、PCの電源を入れて仕事を始める方々もたくさんいらっしゃることだろう。
 PCとインターネットを使い始めてから、まだ10年余りしかたっていないわけだが、このような生活そのものが我々をある意味で危機にさらしている。
 「地頭力を鍛える(細谷功著、東洋経済新報社)」では、このような警告から“コピペ思考”と題して、インターネットの情報を使えば、表面上だけは専門家と同等レベルのデータを使用してレポートが作成できる可能性について言及し、インターネット情報への過度の依存に関する危険性を説いている。
 細谷氏の本論は地頭力による“フェルミ推定”であるが、私としては、PCとインターネットによる弊害として、前述の“コピペ思考”に加え“コミュニケーション失調症”を提示したい。
 実は私自身も前職のコンサルタント時代には、「あなたのメールは言葉が足りない」とよく上司から叱られたものだ。いわゆる“コミュニケーション失調症”である。電子メールでのホウレンソウ=報告・連絡・相談が、職場でのコミュニケーションの主流を占めるようになると、伝える側の情報の内容(質)や時間(タイミング)によっては、受け手側が期待する情報がうまく伝わらず、業務の遂行や意志決定の判断に支障をきたす可能性がある。

 プロジェクト管理の専門家が使用するPMBOK(Project Management Body of Knowledge)では、コミュニケーション・プロセスの一部として、「情報の発信者は、受信者が情報を正確に受け取ることができるように、情報を明確で完全なものとする責任および情報が正しく理解されたことを確かめる責任がある。受信者は、情報を完全な形で受け取り、確実に正しく理解する責任がある」と説いている。
 なんと大変な世の中になったものだ。
 先日、右の写真にあるDESK@(デスカット)では、フリードリンクを飲みながら営業マンが楽しそうに集まって仕事をしていた。
 どうも頭と心のバランスが大事なようだ。「頭の価値の盛衰記(赤瀬川原平:てんとう虫2007年5月号)」(https://www.necture.jp/tokyo-essay2/pdf/atama_no_kachi0705.pdf)がヒントかも。

 (つづく)

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