■ 2003年10月18日(土)

 居合道全国大会(秩父市文化体育センターにて)


Reference: Dr. Tobin's Interview (May. '03, Business English from NHK radio)
Tobin: Stress is life, huh?
Pedersen: Well, and I think it's necessary.
Pedersen: I think any time we encounter change, it's going to create a certain amount of stress. And so I'd like to look at this as "good" stress", growing stress. The stress with the new system that would help, more early on, identify what a person's potential to the organization is, how they can be developed and groomed to reach a higher level in the organization. And how to deal with it, try it. See if you like it.
Tobin: Yeah, yeah. Take the jump. Or be open to some change.
Pedersen: Right. And I think what happens is, if people try it, then inevitably the system will get changed. The system, if it's a good system, will listen to the inputs of the people that use it and it'll change and be more suitable for the people over the long term. So try it. Go with the stress. Live through the stress but make your voice heard.
(See page from 56 to 57 on the textbook)

 朝八時に秩父路を歩く。
 川越の自宅を出たのが六時半ごろ。
 東武東上線の寄居駅で秩父鉄道に乗り換えて、黒谷駅についたばかりだ。
 これから行われる第38回全国居合道大会を観戦するために秩父市文化体育センターまでの道のりを20分かけて歩いた。
 この会場は来年、平成16年度埼玉国体の剣道の会場となる新しい施設だ。
 (注:右写真は、新版全日本剣道連盟居合の解説書の表紙である。制定居合はこの解説書どおりに抜くことが求められる)
 川越の自宅付近も田園地帯なので、朝の散歩の時の空気はうまいが、このあたりの空気はもっとうまい。

 会場への途中にある和銅鉱泉旅館近くにある橋から直下に、この橋から50メートルはあろうか、目が眩むほどの横瀬川の渓流にしばし見入ってしまった。
 少し足を伸ばせば、このような自然があるものなのだと一人で感激する。

 (この横瀬川にかかる橋の地図をYahooから入手したので記録する。URLは以下のとおり)
  https://www.necture.jp/tokyo-essay/image/yokose_map.gif

 会場の観覧席は都道府県別になっているので、ためらわずに富山県の席に向かった。
 ちょうど開会式が行われており、秩父市長の挨拶が始まったところで、静かな館内にドスンという音が響いた。
 選手団の最前列で誰かが倒れたようだ。
 救護班がかけつけて、その選手の手当てを行い、担架で運び出した。
 富山県側の席にいらっしゃった年配の方が「ありゃー、どうしたが、こりゃーたいへんやー」と懐かしい富山便で私の方に話し掛けてこられた。
 後ほど分かったことだが、この方は富山県選手団の団長で、倒れられた方は佐賀県の監督だったが、お二人は顔見知りの仲で、さきほどこの会場でお互い挨拶を交わされたばかりだったとのことである。
 この倒れられた監督もたいしたことはなかったという館内放送の後、静粛な雰囲気のなか、試合が始まった。
 中央に七段、両隣りに五段と六段の試合が始まり、白線の敷かれたエリアの中で各段位別に紅白に分かれた選手が技を競う。
 対座して切り合うのではなく正面にいる審判に向かって二人の選手が同じ技の演武をするのである。
 主審の「はじめ」という合図から、演武の終わった後の「はんてい」という掛け声で、三人の審判が紅白のどちらかの旗を上げるのである。

 この全国大会は埼玉県が格段位の優勝と団体優勝という快挙を成し遂げた。
 以下に各段位別の優勝選手を記録する。
  ・七段の部:小野澤 隆一
  ・六段の部:小宮山 克巳
  ・五段の部:柳川 淳

 この試合に向けた選手の練成は三ヵ年の計画で進められ、強化合宿では足の裏の皮が剥けるほどの激しい稽古だったというから、なるほどとうなずける試合内容であった。

 平成15年11月14日発行の埼玉県剣道連盟居合道部の「居合道だより」の巻頭にある選手強化委員長の山崎誉氏の言葉を借りると、居合道が「剣の理法の修練による人間形成の道を修得する」ところにあり、稽古は試合のように、試合は稽古のように、厳しい稽古の中にも「無事是名馬」を合言葉としてこの三年間を尽力されてこられたとのことである。
 会場の中は、それらの方々の喜びで一杯になった。

 (つづく)

-P.57-

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