第3回 :ITリソースとスキル(1/2)
2001年1月吉日
Quote: "The best way to predict the
future is to invent it." Alan C Kay (Kay is associated
with Apple Computer, Inc., in Cupertino, California, as
an Apple Fellow in 1995.)
前回までは、ITに関する基礎的なコンテンツをブリティッシュ・コロンビア州立大学の通信教育機関のIT入門書籍から抜粋して、"Introduction
of IT"および"Computer
Literacy"の2つのテーマでまとめてみた。
このブリティッシュ・コロンビア州立大学日本校(https://www.oubcjapan.com/)の"Introduction
to Information
Technology"の講座を終了すれば、北米の大学の1.5
credits(単位)を取得できるので、留学希望の方々は是非チャレンジしてみてはどうかと思う。
私は現在"Foundations to Marketing"(3
credits)を受講している。このコースは、英文のテキスト(右図)だけでも400ページ近い内容があり、さらに各章の解説をまとめたWebサイトを見て、Tutorに宿題を送付しなければならない。この単位を取得するには、毎日1〜2時間づつ4〜5ヶ月はかかるので、結構タフなカリキュラムである。
前置きが長くなったが、今回は企業情報システムにおける「ITリソースとスキル」について考えてみたい。
ITリソースを考える場合、物としてのIT資産と、人にディペンドしたIT資産(これをスキルと考える)がある。
図1(2001.pdf、14KB)の左側に、ITをモデリングしてみた。右側には、IT関連の国家試験とITベンダーが個別に実施している資格に関する調査内容を上下に配置した(図中左側と右側の上下同士の関連性はない)。
左側のITモデルの下側半分は、ITの「基本的なスキル」(知識や資格)をネットワーク、ハードウェア、ベンダーソフトの3つのレイアで捕らえたものだ。
また、その上側にあるITの「業務的なスキル」とは、第1回ITコラム(Introduction
of
IT)のプレゼンテーションの8ページにあるように、社員の生産性を高めて、ビジネスをより効果的、効率的に行うために、下側の基本的なスキルをフルに活用していくビジネススキルと考えるべきだ。
いわば企業の情報資産を創造することと、それを活用しながら「企業の付加価値」を継続的に高めていくための業務遂行能力である。
図中上側の「業務スキル」では、アプリケーションとインフラ(ネットワークを含む)を左右に分けた。左側のアプリケーションに関する業務スキルは、「設計」、「開発」、「運用」、「監査」の4つのフェーズが考えられる。一方、右側のインフラにおいては、アプリケーションの「開発」あたる「実装」フェーズがある。
このアプリケーションとインフラの中央には、"基本方針の策定"を含めてP(計画)→D(実行)→C(チェック)→A(アクション)という業務の基本タスクをきちんと実行していくプロジェクトマネージメントのスキルが必要であり、ITプロジェクトの成否を左右するスキルと言っても過言ではない。
技術には、「固有技術」と「管理技術」がある。と、20年以上前にインテックにいらっしゃったK氏に教えてもらった記憶がある。
まさに、ITの管理技術とは、このプロジェクトマネージメントである。
K氏は現在、インテックからエクシング(カラオケのジョイサウンド)の技術部長に転身され名古屋本社に勤務されている。
一方、物としてのITリソースは、図1の下側にあるネットワーク、ハードウェア、ベンダーソフトに加えて、ユーザソフトというレイアを考慮する必要がある。
このユーザソフトには、情報システム部門が作成したアプリケーションプログラムはもちろん、日常の業務で生成されるデータや文書、あるいは電子メールといった企業情報資産全てが対象となる。
図2(infra.pdf、8KB)は、インフラ(ネットワークも含む)関連のドキュメントを洗い出すために整理した資料である。このようなドキュメントを4-5年前は人手によって作成していた。
私の経験では、ユーザの業務内容にもよるが、サーバが10-20台、クライアントPCが100-200台を超えるあたりから、これらのIT資産を人手によって管理することは難しくなるので、システム(ネットワーク)管理ツールを導入することになる。
次回は、ITスキルについてもう少し掘り下げるとともに、システム(ネットワーク)管理ツールによるIT資産管理に関する情報をお伝えしたい。
つづく