序章 : Prologue
2000年4月吉日
Quote: "The main thing is to construct…always adding,
improving, developing. This is my motto." Alexey Pajitnov (Russian
software computer-game author and scientific assistant, Computing
Center of the Academy of Science in 1995.)
ネクチャードットコム鈴木社長よりIT(情報技術)に関するコンテンツを依頼された。
おりしも、3月24日〜3月30日の1週間、サンフランシスコにある米国オラクル本社とアリゾナ州ツーソンで開催されたIFS社(スエーデンのERPベンダー)のSpring
2000カンファレンスに出席して、ロスアンゼルスからの帰途にこの原稿を書き始めている。
JAL025機内で入手した2000年3月29日の日本の新聞では、iモードのシステムダウンと三菱自動車の乗用車部門がクライスラー・ベンツ社の傘下になることが報じられていた。
今回の旅行で最初に訪問したサンフランシスコ郊外のオラクル本社は、1999年7月当時にあった100から400番の4棟のビルに加え500、600番の2つの事務棟と1,000人規模のパーティができるオードトリアム、および社員用ジムとプールが敷地内にできていた。
まさに絶好調のアメリカ経済(朝日新聞:1999年第4四半期の米国GDPの実質成長率は前期比年率換算で7.3%成長)を背景にしたハイテク企業の快進撃の感がある。そういえば、フォーチュン500社のインターネットビジネスでオラクルRDBが90%以上使用されているという広告があった。
また、IFSのカンファレンスではeBusinessにフォーカスした製品の発表とビジネスモデルの考え方に関するプレゼンテーションを聞くことができた。
このカンファレンス二日目に行われた著名アナリスト達によるプレゼンテーションでは、米国におけるeBusinessの驚異的な伸び(特に注目されるB2B取引のフォーキャスト)と、そのインターネット上のB2B取引における危険性(特に取引データの紛失)に言及したパネルディスカッションの内容に共鳴するところがあった。
まさに機内で見た新聞にあったiモードのような社会システムがダウンした時の影響の大きさと重ね合わせてみると、IFSのプレゼンテーションでアナリスト達が警告していたことが、現実の世界で起こっているのだという実感を持った。
(IFS社のURL https://www.ifsworld.com
)
ここで、考えていくコンテンツでは、インターネットが加速度的に普及してきた社会環境を背景にしたグローバル時代を生き抜いていくための経営と、その経営の第4の資源「情報」を使いこなしていくための技術について考えてみたい。
2000年4月 伊賀忍び 記す